8枚のイラストは、すべてにモチーフにおいて共通する。作者の描きたいものがこれ以上ないほど明確な作品集である。美少女、とおいそれとは決め付けられないが、ともかく中性的な美しさ妖しさを持ったキャラクターたちは、はっきりとした意識の下にそれぞれに描き分けられている。ここでいう「妖しさ」とは、いくぶん意外なことに性的な意味を含まないもので、どちらかと言えば、現世的な生命感が排されたような、もっとゴシック調の雰囲気を醸し出している。
風潮、傾向に乗じることのなど思いもよらないような作画は、確としたオリジナリティーと一種の‘凄み’をもって見る者に強い印象を与える。
技量は素晴らしく高い、且つ卓抜なセンスを感じる。モチーフの質感によってタッチや筆筋を自在に変える手並み、表現の多彩さは目を見張るばかりだ。特徴的なのは色使い、とりわけ肌の色と、いくつかの作品で顕著なガラス目を思わせる‘瞳’の描写である。キャラクターたちがその瞳にうつしているのは、自身の内面なのか、空想の中の営みなのか、定かではないがともかく実体の“リアル”では無いことは感じさせるのである。いわばこれが、本作品世界の根幹を成すものであろう。
某出版社さんへ投稿させていただいた時の画評です。なんだかとんでもないお言葉を頂いてしまったので、これからも頑張らにゃにゃ...(もごもご)と思いました。 |